Banksy(バンクシー)のMonkey Queen(エディションナンバー入り、ペストコントロールCOA付き)を、額装は”WANLUT
Black”の特別仕様で、マットボードは"コットンスエード素材の白"で額装しました。
M様は「もう飾るところがない!」と毎回、悩みながらもバンバン男前に買って下さるレジェンド顧客様です。
思い入れのある作品や特別な作品には、「今までやったことのない額装にして!」と、こっちに強烈なパスを投げて来ます。
この5年間で「今までやったことの無い額装にして!」のパスをもう数十本もいただいているので正直な話、1日に4ステージぐらいを毎日毎日こなさないといけないお笑い芸人のように、もう完全にネタ切れですが「参りました!」は絶対言いたくないので(笑)、自分を追い込んでアイデアを無理矢理、生み出させています。
こう言った特別な額装の製作の依頼をいただいた時は、起きている間中、(酷い時は寝ている間さえも)心の片隅で常に額装の新たなアイデアのことを考えているので、ヒントを探すかのように自分の視界に入るありとあらゆる物に注意が向いていますし、過去にまで目を向けて自分の脳内アーカイブの奥の方に埋もれている使えるアイデアが姿を現すのを待っています。
今回、M様を驚かせる手段として「ラグジュアリーなギミック」というテーマがふわっと浮かんで来て、それを形にして見ました。
正面から見ると普通の額縁 WALNUT Blackなのですが、角度を変えてみると4角のサイドに本物の金箔を貼り込んだピースを埋め込んでいます。(通常のWALNUT
Blackはフレームの厚みが20mmですが、こちらは金箔のピースを埋め込むため、少し厚く25mmです。)
作品がM様の元に届いて箱を開けた時に「なんだ。ただの黒のWALNUTのフレームか!流石に高田さんも、もうネタ切れだな!」と一瞬、油断させといて箱から出す時に金箔の細工に目を奪われると言った演出を企んで見ました。
この作品を飾った時も正面から見た人は太い黒いフレームとしか思わないのですが、目線が変わった時に金箔の細工に小さな驚きを感じていただけるはずです。
あくまでも「小さな驚き」というのが重要だと僕は考えています。
何と言っても主役は作品。
BanksyのMonkey Queenですから。
【奇をてらった額装】であれば幾らでもネタは出てくるのでしょうが、やはり主役は作品で額装はあくまでも作品の引き立て役であり、作品との調和が一番大切だと考えているものですから、その制約の中で【感性が高脂血症】になったような目が肥えきったお客さまにある程度の驚きと、充分な満足感を感じていただくことはそう簡単ではありません。
とは言え、必ず期待にお応えしたいという強い気持ちを形にして毎回、何とか納得できる物を納品させていただいてます。
額装のプロですから、当たり前ではあるのですが。
今回のようなヘビーなお客様達からの挑戦状(笑)が、ノイズキングの額装のスキルを確実に成長させてくれているので、ご依頼下さるお客様には、もちろん感謝もしていますし、毎回ワクワクしながら取り組んでいるんですよ。
そして、いくら僕が頭の中で額装のイメージを膨らませてもこれを実際、形にしてくれる人が居なくては、形にすることはできません。
こちらの無茶振りにも関わらず、毎回、こちらの期待以上の物に仕上げてくれる、sugiyamakagの3代目には感謝です。
そして今回は神輿や獅子を製作している職人さんにお願いして、漆を使って金箔を張り込んでもらいました!
額装費の内訳
額縁 WALNUT Black / 4角金箔ピース特別仕様(UVカットアクリル)サイズ1100 79,300円
マットボード(コットンスエード白)サイズ1100(マットボード幅60mm) 9,720円
額装合計金額 89,020円(税抜き)
フレーム外寸 縦 723mm × 横 574mm
額装総重量 3500g
アーティスト: Banksy(バンクシー)
作品: Monkey Queen